PLA 樹脂 Learning Center

PLA 樹脂

PLA(ポリラクティックアシッド)はトウモロコシ、てんさい、小麦、またはジャガイモなどから抽出されたデンプンを発酵、乾燥、重合させることにより作られる物質であり、日本ではポリ乳酸と呼ばれています。PLAは原料に有害物質を含まない上に生産過程においても汚染物質を発生させることはなく、さらに生分解性物質(自然の中で分解できる)であるため、エコな高分子として注目されています。

PLAは最終的に二酸化炭素と水にまで分解することが可能ですが、一般的な保管方法によって分解されて消えてしまうものではありません。ただし、湿度が高く(90%以上)、気温が58〜70℃の環境下においては影響を受けることがあります。また、PLAの利点は不要になった製品は堆肥に混ぜたり燃やしたりと、一般的な可燃ごみの処理方法で自然分解することができることですが、その一方で、PLAを他のプラスチック素材と一緒にリサイクルしようとすると、PLA特有の低い融点が他のプラスチック製品をリサイクルできない状態にしてしまうことがありますので、可燃ごみとして処理するようにしてください。

当社のPLAフィラメントに使用しているNature Works社が生産している4032Dという原料は、家庭用3Dプリンターに使われるPLA素材の中で一定の評価を得ており、比較的高品質な造形ができることからユーザー様にご支持をいただいております。

PLA 樹脂の物理的特性

PLAの優れた機械特性及び物理性は様々な加工工程に適しているため、主に真空成形、射出成形、透明フィルム、粘着フィルム、食品包装ラップ、ラミネート加工フィルムなどの工業用及び家庭用プラスチック製品として使われています。

特性 測定方法 単位 測定値
比重 D1505 g/cc 1.24
抗張強度 D882 KPsi 15 21
引張弾性率 D882 KPsi 500 550
断裂伸長率 D882 % 180 100
エルメンドルフ形引裂度 D1922 g/mil 17 14
融点 D3418 155~170
ガラス転移点 - 55~60